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大口裕人准教授らの研究グループが多発性骨髄腫治療薬に対する耐性メカニズムを解明

 

徳島大学大学院医歯薬学研究部 血液・内分泌代謝内科学分野の原田武志准教授、安倍正博教授、当センター疾患エピゲノム制御分野の大口裕人准教授らの研究グループは、多発性骨髄腫におけるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤の作用機序と腫瘍環境が引き起こすこの薬剤に対する耐性機序の一端を解明しました。

本研究では、HDAC阻害剤はIRF4-PIM2経路抑制を介して腫瘍増殖を抑制すること、骨髄微小環境ではIL6-STAT3経路を介してPIM2の発現が誘導され、このPIM2の誘導が骨髄腫細胞のHDAC阻害剤に対する耐性を惹起していることを突き止めました。

今後、この耐性を克服するために、HDACとPIM2を同時に標的とした治療法の開発に発展していくことが期待されます。  

 

本研究成果は、令和5年3月28日付の米国血液学会誌「Blood Advances」に掲載されました。

 

【論文情報】

Novel antimyeloma therapeutic option with inhibition of the HDAC1-IRF4 axis and PIM kinase

Harada T, Ohguchi H, Oda A, Nakao M, Teramachi J, Hiasa M, Sumitani R, Oura M, Sogabe K, Maruhashi T, Takahashi M, Fujii S, Nakamura S, Miki H, Kagawa K, Ozaki S, Sano S, Hideshima T, Abe M.

Blood Adv (2023) 7 (6): 1019-1032.

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疾患エピゲノム制御分野
大口裕人