• HOME
  • ニュース
  • 中潟直己特任教授の研究グループがラット卵子における排卵後老化と受精能の関係を解明

中潟直己特任教授の研究グループがラット卵子における排卵後老化と受精能の関係を解明

 

遺伝子改変ラットは、ヒトの疾患モデルとして基礎医学や創薬研究において重要である。近年、私たちは、遺伝子改変ラットの効率的な繁殖と保存に有用な精子の凍結保存および体外受精(IVF)技術を開発した。凍結融解したラット精子を用いた体外受精では、ホルモン投与と卵子採取の時間に制限があり、体外受精のスケジュールが決まっていた。本技術の実用性を高めるには、体外受精におけるスケジュールのフレキシビリティーを高めるために、ラット卵子において正常な受精能と発生能を有する時間を決定する必要があった。


そこで中潟直己特任教授と中尾聡宏研究員らは、本研究において午前9時の採卵から1~13時間培養した卵子の受精能と発生能を評価した。その結果、受精率は採卵から7時間後に低下し、採卵から10時間後には異常な受精卵が観察された。発生率も、採卵から7時間後に低下したが、採卵12時間後の卵子からも産子が得られた。以上の結果から、ラット卵子は、採卵後4時間までに体外受精を行うことで、高い受精能および発生能を示すことが明らかになった。

 

【論文】
Time elapsed between ovulation and insemination determines the quality of fertilized rat oocytes
Naomi NAKAGATA, Satohiro NAKAO, Nobuyuki MIKODA, Katsuma YAMAGA, Toru TAKEO
Journal of Reproduction and Development (2024), DOI: https://doi.org/10.1262/jrd.2023-067

 

【お問い合わせ】
中潟直己特任教授
熊本大学生命資源研究・支援センター
生殖工学共同研究分野
メール:nakagata※kumamoto-u.ac.jp
(※を@に置き換えてください)