第3回 KBRP セミナー
『ユニークな性質を併せ持つ新規モデル動物、イベリアトゲイモリの紹介』
主 催:熊本大学拠点形成研究A
『ゲノム編集技術を用いた次世代モデル生物の作製』
Kumamoto BioResource Project (KBRP)
日 時:2016年12月22日(木)17:00〜18:00
場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター
RIC/GTC棟 6階 講義室(602)
座 長:熊本大学 大学院先端科学研究部基礎科学部門生物科学分野 教授 高宗 和史 先生
講 師:鳥取大学 医学部生命科学科 生体情報学分野 准教授
林 利憲 先生
要 旨:
有尾両生類のイモリは脊椎動物の中で最も強い再生能力で知られているが、巨大なゲノムサイズを持つ、性フェロモンを介した求愛行動を行う、さらには極めてがんになりにくい等の興味深い性質をもつ。これらの性質は古くから研究されてきたが、分子レベルでの機構は殆ど明らかでない。そればかりか、近年ではイモリを使用する研究者の数まで減少していた。このような状況になった最大の理由は、これまで広く使われてきたイモリの種が、研究室での繁殖に適さなかったことにある。我々は大量繁殖が可能で、遺伝子操作も容易なイベリアトゲイモリを導入することで、イモリの持つ様々な性質を遺伝子のレベルで解析できる実験系を確立してきた。さらにゲノム編集技術が登場したことで、イモリの実験動物としての可能性は大きく広がった。本セミナーではイベリアトゲイモリの実験動物としての長所や、解明に向けてチャレンジしたいユニークな性質を紹介する。併せて、その為にはどのようなゲノム編集技術を確立する必要があるのかについても議論したい。