広島大学大学院統合生命科学研究科 教授
ゲノム編集イノベーションセンター センター長 山本 卓

 

 ゲノム編集は、CRISPR-Cas9システム の開発によって、ライフサイエンス研究の基礎から応用の幅広い分野(微生物の改変、農水畜産物の品種改良、疾患研究や遺伝子治療など)に急速に広がってきた。今日では、DNAの切断によって標的遺伝子を改変する技術に留まらず、ゲノム編集は塩基編集、転写調節、エピゲノム編集、 核酸標識など多くの発展技術に適用されている。

 本講演では、我々が進めてきたプラチナ TALENやCRISPR-Cas システムを用いた遺伝子ノックイン技術(PITCh法やLoAD法)や転写調節システム(TREEシステム)、核酸標識による遺伝子座の可視化技術について紹介する。さらに、応用分野におけるゲノム編集技術の研究の現状と可能性について議論する。