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  • 南敬教授らの研究グループがダウン症関連遺伝子が悪玉コレステロール (LDL) の酸化を抑え、 加齢による角膜混濁を防護することを発見

熊本大学生命資源研究・支援センターの南 敬教授、村松 昌助教らは、ダウン症と高コレステロール血症のモデルマウス (DSCR-1-/- & ApoE-/-) を用いた加齢解析により、ダウン症関連遺伝子DSCR-1 が、慢性的な高コレステロール時での酸化LDLの産生とその下流の新たな SDF-1※2/CXCR4 シグナルを抑制することで、角膜への異常な血管侵入とそれに伴う失明・角膜混濁を防護することを明らかにしました。これまでダウン症では早期老化に伴う神経病態の悪化だけでなく、逆に加齢による血管疾患に罹りにくいことが疫学データから想定されていましたが、その原因となる詳細な候補遺伝子や機構については明らかにされていませんでした。今後、DSCR-1 がダウン症関連遺伝子としてだけでなく、動脈硬化や高血圧といった幅広い血管病の治療関連遺伝子としてクローズアップされることが期待されます。

 

原著論文:
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/ATVBAHA.120.315003 

 

プレスリリース記事:

https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei/20200923