第5回 KBRP セミナー

『ゲノム編集マウスYinとYang:マウス作製支援における現状と課題』

主 催:熊本大学拠点形成研究A

   『ゲノム編集技術を用いた次世代モデル生物の作製』

    Kumamoto BioResource Project (KBRP)

日 時:2017年 2月10日(金)17:00〜18:00

場 所:熊本大学 生命資源研究・支援センター 

    RIC/GTC棟 6階 講義室(602)

    [グーグルMap] [学内の地図](No.15の建物)

座 長:熊本大学 生命資源研究・支援センターバイオ情報分野

                          准教授 荒木 正健

講 師:理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 生体ゲノム工学研究チーム 

                          チームリーダー 古田 泰秀 先生

要 旨:

 昨今ではゲノム編集技術を用いて遺伝子改変動物を作製することは、マウスはもとより他のいろいろな生物種においてももはや当たり前というのが現状となりつつある。特にCRISPR/Casシステムはその操作過程の簡便さから、遺伝子改変マウス作製にも変革をもたらしつつある。実際、Indel による単純な遺伝子破壊やオリゴDNA鋳型による短配列の標的部位挿入などは受精卵で効率よく達成できることはもはや周知の事実で、かつて行われていたようなES細胞を用いた方法はもはや無用の長物と考える人々も少なくない。しかしながら、実際にはあまり議論にのぼらない様々な技術的問題も多く、例えば受精卵でのゲノム編集では、kbオーダーのよりサイズの大きな配列の特定部位挿入が代表的な文献のような効率では達成することが困難である場合が多いという声が多く聞かれたり、多重変異体の作製では目的とする遺伝子型の単離が困難なケースもある。本セミナーの機会に、最近の我々の遺伝子改変マウス作製で直面した幾つかの問題点、解決に向けての検討等の現状を報告させていただき、議論、ご助言をいただきたい。