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ゲノム機能分野 Division of Genomics

研究内容

これまでにヒトをはじめ、チンパンジー、マウス、ニワトリ、線虫など、さまざまな生物のゲノム配列が解読されてきました。「生命の全体像」を捉えるためには、ゲノム配列情報に加えて、遺伝子の発現解析や機能解析、遺伝子やタンパク質のネットワーク解析などの生物情報を蓄積することが重要です。遺伝子改変マウスは、個体レベルで遺伝子機能を解析するための強力なツールとなります。私たちは、可変型遺伝子トラップクローンデータベース「EGTC」を構築し、全世界に公開しています。EGTCクローンの中には、タンパク質をコードしている遺伝子だけでなく、non-coding RNA遺伝子も数多くトラップされています。さらに、遺伝子が見つかっていない領域の配列もトラップされています。EGTCはプロモータートラップという手法を用いていますので、トラップされた配列は少なくともマウスES細胞において発現し、何らかの働きをしていると考えています。ゲノム機能分野では、EGTCクローン等のバイオリソースを全世界の研究者に提供し、共同研究を積極的に進めながら、ゲノムの新たな機能解析を行います。また、変異マウスを用いて、疾患発症のメカニズムの解明にも力を入れています。

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ニュース

○ 分子生物学会年会に参加しました(2021年12月)。
全国大学等遺伝子研究支援施設連絡協議会総会および安全研修会に参加しました(2021年11月)。
○ ジーントラップ法により転写活性のある新しいゲノム要素を明らかにした論文が掲載されました(2021 Aug)。
○ Cre組換え誘導において摂餌によるタモキシフェン投与の有効性を示した論文が掲載されました(2021 Feb)。
○ 遺伝子トラップベクターのゲノム挿入の地図"Chromoexcel"を公開しました。

研究課題

    • 1)研究
      • (1)可変型遺伝子トラップ法を用いたゲノム上の未知配列の機能解析
      • ○CSCTとTCAAの発見とその機能の探索:準備中です
      • (2)可変型遺伝子トラップクローンデータベース (EGTC) の開発と改良   EGTCへ
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      • (3)目的の部位で発現させることができるプロモータートラップマウスのライブラリー構築
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      • (4)ヒト疾患モデルマウスの開発及び表現型解析
      • ○ 多血症発症マウス pocy の解析
      • 赤血球が減少すると貧血になりますが、逆に多すぎるのも体の負担になります。多血症は血液中の赤血球が増加して血液の粘度が上がっている状態を示し、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な疾患に繋がる可能性があります。我々の研究室で偶然発見されたpocyは自然発生突然変異によって多血症を発症したマウスであり、突然死する個体も見られています。我々はpocyにおける多血症の責任遺伝子を同定し、新たな多血症の原因を解明することを目的に研究しています。
                血球が増えすぎると渋滞して困る!

      • ○ 白血病由来の遺伝子変異を導入したマウスの解析
      • miRNAとは、相補的なmRNAに結合することによってタンパク質の翻訳を調節する小型の非コードRNAです。その中の一つであるmiR-142は造血幹細胞に豊富であり、造血細胞の系統分化において重要な役割を持っています。近年、急性骨髄性白血病(AML)の患者においてmiR-142の一塩基が変異していることが確認されました。そこで私たちは、ゲノム編集技術を用いてマウスに同じ変異を導入し、その表現型を解析することで、miR-142の点変異がAMLの発症に寄与している可能性を検証しています。
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      • ○ グルタル酸尿症2型モデルマウスの解析
      • グルタル酸血症2型は、生まれつき脂肪などの代謝に重要な役割を果たす特定のタンパク質や酵素が十分に働かず、脂肪の利用ができなくなる病気です。軽症型から重症型まで臨床像が幅広く、病態の解明や治療法の開発は進んでいません。
      • 我々の研究室では、遺伝子トラップ法を用いて、重症型モデルマウスの作製に成功しました。さらに軽症型のモデルマウスを作製し、グルタル酸血症2型の病態を解明することを目的に研究を行なっています。
  • 2)研究支援
    • (1)学内共同利用施設 遺伝子実験施設の運営・管理   GTCのサイトへ
    • (2)遺伝子実験に関する技術支援および情報提供
    • (3)可変型遺伝子トラップクローンの提供

メンバー

NameE-mail
准教授 荒木 正健 maraki*  researchmap    MASA Home Page
助教 吉信 公美子 yosinobu*  researchmap
事務補佐員 地下 裕美 j-hiromi*
技術補佐員 古閑 成美 n-koga*
実験補助員 今村 千賀子
上村 清美
大学院生 北元 優梨 薬学部創薬・生命薬科学専攻博士後期
池田 琉那 薬学部創薬・生命薬科学専攻博士前期
学部生 上戸 佳那 薬学部薬学科
篠原 涼介 薬学部創薬・生命薬科学科
立石 圭冴 薬学部薬学科

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連絡先

熊本大学生命資源研究・支援センター ゲノム機能分野

〒860-0811 熊本市中央区本荘2-2-1  ※本荘中地区です
Tel 096-373-6501
Fax 096-373-6502
E-mail GTC(アットマーク)kumamoto-u.ac.jp